コンポジット撮影編

はじめに

序章でも書きましたが、コンポジット撮影に特別な機材は必要ありません。デジタル一眼レフ入門機一台で撮影可能です。 一般的な夜景撮影で使用する三脚、カメラ、レリーズがあれば充分です。

撮影方法

まずは構図を決めますが、コンポジット撮影は一度開始すると途中で止めることはできません。撮影中に少しでもカメラが動いてしまうと合成が上手くいきませんので、構図は慎重にしっかりと決めて下さい。

次はピント合わせてカメラの設定を行いますが、設定に関しては以下の点に注意して下さい。

  • 後処理の手間を考えるとRAWよりJPEGで
  • ノイズリダクション機能は必ずOFFに
  • ISO感度は最低に。シャッター速度が30秒を越えるなら絞りをあける
  • ホワイトバランスはオートにしない。蛍光灯がオススメ。お好みで
  • フォーカス、露出はマニュアル
  • バッテリーは必ず満タンに。バッテリーグリップが使えるならフル活用

画質を求めるならJPEGではなくRAWで撮影するべきですが、コンポジット撮影は数十~数百枚の撮影をします。その際のRAW現像の手間を考えれば後処理を必要としないJPEGの方がやりやすいでしょう。また、ホワイトバランスや露出時間はカメラ任せにすると色彩や露光時間が写真毎に異なってしまう危険性があるので必ず固定にします。なお、星を強調するため露出はややオーバー気味が良いかと思います。コンポジット撮影は最初の一枚が命!何度でも試し撮りを行って納得のレベルまで仕上げてから撮影を開始しましょう。

構図と設定ができたら、まずはダークフレームと呼ばれる写真を一枚撮ります。撮影方法は非常に簡単で、レンズキャップ等でレンズを塞いで真っ暗な状態で撮影すればOKです。ダークフレームの使い方は次頁の合成編で解説します。キャップの着脱時にカメラの位置がずれてしまわない様に充分注意して下さい。ダークフレームを撮った後はそのままインターバル撮影を続けるだけです。

長時間続けるほど星の線が伸び、美しい仕上がりになるのでひらすら待ちます。撮影中は退屈との戦いになります。夜景シーズンでの撮影であれば寒さを防ぐため車内に待機する等の防御策も採って下さい。撮影中に雲が出てきて星空を覆ってしまった時は残念ですが撮影を中止し、撤収するしかありません。雲が通過してしまうとその部分は星の軌跡が上手く合成できません。 こればかりは運次第ですね。

ダークフレームは不要?

前項でダークフレームを用意すると書きました。詳しくは次頁の 比較明コンポジット合成・静止画編 で解説しますが、ダークフレームというのは熱ノイズ(長秒ノイズ、暗電流ノイズともいいます)を除去するために使用します。よって、熱ノイズに強い(熱に強いイメージセンサーを搭載している)カメラをお使いであればダークフレームは必要ありません。しかしながら、熱ノイズに強いかどうかはカメラの機種はもちろん、撮影時の気温やISO感度などにも影響されるもので、必ずしも新しい機種=優れているとはなりません。可能な限りダークフレームを用意することをお奨めします。

ISO感度は最低感度に!

電気信号のやりとりが行われるデジカメではカメラの内部温度の上昇は避けられず、特に夏場の撮影となると夜間とは言え相当な温度になることが予想されます。こういった環境下、ISO感度を上げてしまうとさらに内部の加熱を促進してしまい、撮影が不可能になるケース(※)もあります。

※過熱 - デジタルカメラは電気回路の保護のため、内部の温度が一定値を超えると自動的に電源を切ったり、特定の操作ができなくなります。

インターバル撮影ができない機種の場合

前項でインターバル撮影をすると書きましたが、機種によってはインターバル撮影が出来ないものもあります。そうした場合は連続撮影を使います。やり方は、撮影モードを連射モードに設定し、ケーブルレリーズを装着して一枚目のシャッターを切る→露光中にレリーズを固定すればOKです。こうしておけば一枚目の露光終了後、即座に二枚目のシャッターを切るので、インターバル撮影と同等の効果が得られます。

以上が撮影方法です。次頁ではソフトを使って比較明コンポジット処理をする方法を解説します。合成作業は市販のグラフィックソフトでも可能ですが、ここではコンポジット合成専用のフリーソフトを使用します。

2011年8月 掲載/2014年12月 加筆・更新