風のらくがき ~夜景へのいざない~

夜景撮影の基礎

はじめに

ここでは主にコンパクトカメラでの撮影方法を解説していきます。余計な操作を極力なくし、カメラ任せで撮れる方法を記してみたいと思います。まず重要なのは三脚、もしくはカメラをガッチリ固定できる場所(平らな手すりなど)の有無で撮り方が若干変わってくる事です。三脚は夜景撮影の非常に強い味方になりますので、夜景を観に行く(撮る可能性がある)際には小型のものでも構いませんので三脚をお持ちになる事をお勧めします。

液晶画面の見かた

液晶画面
液晶画面

デジタルカメラの液晶画面には非常に多くの情報が表示されており、夜景(だけではありませんが)を撮るためはしっかり内容を把握しておきたいところです。特にこれから挙げる8項目は夜景撮影と密接な関わりがあるので、ぜひ覚えておいて下さいね。個々の項目に関しては順を追って説明しますので、ここでは記号とおおよその内容だけを把握して頂ければ結構です。なお、カメラの機種によって画面表示には若干の違いがありますが、基本的な内容は一緒です(画像はCanonPowerShotG5のものです)。

①フラッシュモード

フラッシュ発光の有無です。発光禁止、強制発光、オートがあります。夜景撮影時は発光禁止にするのが基本ですが、夜景プラス人物を撮る際には発光します。

②撮影モード

夜景モード、風景モードなどの他にAv、M、Pなどのモードがあります。最初は夜景モードを使うのが良いと思いますが、慣れてきたらAvやMモードを使いたいところです。

③ISO感度

ISO感度です。大きいほど短いシャッター速度で撮れるようになりますが、画質は低下します。三脚を使ったり、カメラをしっかり固定できる環境であれば感度は最低まで下げた方が美しく撮る事が出来ます。

④記録画質

画像を記録する際の品質です。大きいほど高品質での保存になります。高画質にすればファイルサイズが大きくなりますが、メモリーカードやハードディスクの大容量化も進んでいますので高画質で保存した方が良いでしょう。

⑤画像サイズ

画像を記録する際の画像サイズです。大きいほど多画素での保存になります。画質と同様、最大画素数での撮影がお勧めです。

⑥シャッター速度

シャッターが開く時間です。1/15は15分の1秒、8″は8秒を表します。

⑦絞り値

絞り値です。F=**という形式で表示されます。

⑧撮影可能枚数

現在の記録画質、サイズで撮れる残り枚数が表示されています。

メーカーによる表記の違い

デジタル一眼レフやハイエンドコンパクト機には撮影モードに「絞り優先AE」や「シャッター速度優先AE」などがありますが、これらのモードはメーカーによってダイアルでの表記に違いがあります。

メーカー別露出モード表記
メーカー プログラム 絞り優先 シャッター
速度優先
マニュアル
Canon Av Tv
Nikon
PENTAX Av Tv
OLYMPUS
SONY

当サイトでは絞り優先AEをAv、シャッター速度優先AEをTvとして表記しますのでご了承下さい。

夜景撮影のポイント

まず初めに、夜景を撮るために必要なポイントは以下の3点です。

  • カメラをしっかり固定する
  • フラッシュは発光禁止
  • ピントはしっかりと

カメラをしっかり固定する

夜景を撮るには長時間シャッターを開け、多くの光を取り込むようにします。そのため、シャッターが開いている間にカメラがブレないようにしっかり固定する必要があります。手持ちで撮る場合も手すりの上や壁などにカメラを押し付けたりして出来るだけ固定しましょう。

セルフタイマーの勧め

手ブレと言うのは厄介なもので、シャッターを押す瞬間やシャッターから手を離す瞬間にも生じるものです。そこで、記念写真等で使うセルフタイマーやリモコンがある場合はリモコンでシャッター操作をし、直接カメラに手を触れないようにしましょう。なお、セルフタイマーの設定方法はカメラのマニュアル等をご覧下さい。

手ブレとシャッター速度の関係

手持ちで撮る場合、シャッター速度が長ければ長いほど手ブレの危険性が増します。では、どのくらいのシャッター速度なら手ブレを防ぐ事ができるのでしょうか?一般的には1/焦点距離と言われています。コンパクトカメラの場合、広角側(ワイド側)は28~38mmくらいなので手ブレしにくいシャッター速度は1/30~1/40秒以下と考えてよいでしょう。

望遠側(テレ側)はズーム倍率と広角側の焦点距離によって変わりますが、例えば広角35mmで5倍ズームならば望遠側は35×5=175mm。手ブレしにくい焦点距離は1/200秒以下となります。この数値は個人差や構え方などで変わるのであくまで目安としておいて下さい。

フラッシュは発光禁止

夜景撮影は暗い場所での撮影になるのでフラッシュを焚く必要があるとお考えの方も多いようですが、通常の夜景撮影ではフラッシュは必要ありません。夜景は遠くの景色を撮るものなのでフラッシュの光は届きません。また、フラッシュを焚くことによってカメラが「明るさは充分」と判断してしまい、シャッター速度を短く設定してしまうためです。なお、夜景と人(や物)を同時に写す場合にはフラッシュを使用します。詳細は後述します。

ピントはしっかりと

ピントリング
ピントリング

せっかく撮った夜景もピントが合っていなくてボケボケでは意味がありません。しかしながら夜景とは暗いもの、カメラのAF(オートフォーカス)が苦手とする被写体です。もしカメラ任せでピントが合わない時は無限遠を使いましょう。AFからMF(マニュアルフォーカス)に切り替えて無限遠を使います。コンパクト機の場合は液晶に∞マークが表示されていればOKです。デジタル一眼ならばレンズの∞マークに指標を合わせれば無限遠になります。お使いのカメラに無限遠がない場合はAFで遠くの街灯などの明かりにピントを合わせると良いでしょう。なお、機種によっては夜景モードにすれば自動的に無限遠に設定されたり、遠景モードなどの名称で無限遠に設定するモードがあったりもしますので、お持ちのカメラのマニュアルをご確認下さい。

ホワイトバランスは?

多くのデジタルカメラではホワイトバランスを設定できるようになっています。ホワイトバランスとは白いものを白く写すためにカメラが色を補正する機能の事です。詳細は別項で書きますが、ここでは「写真の色合い」程度の感覚でよいかと思います。液晶モニターを見ながら、自分好みの色合いを設定して下さい。わからない場合は「オート」で撮ってみてください。

記録画質は?

撮った写真は最高画質(ファインモード)で記録するようにした方が良いです。写真は思い出になるものなので出来るだけ綺麗な形で残したいものです。その分ファイルサイズは大きくなりますが、メモリーカードも低価格化&大容量化しているので充分対応できるでしょう。

RAW?

通常、デジタルカメラで撮った写真はJPEGというファイル形式で保存されますが、デジタル一眼レフカメラやハイエンドコンパクト機ではRAW(ロウ)というファイル形式で保存できるものもあります。これは撮像素子がレンズから受けた情報を画像エンジンによって加工される前の状態でそのまま保存するものです。例えるなら調理前の食材と言って良いでしょう。RAWはパソコン等で自分の好きなように現像処理(調理)できるのが最大の利点ですが、そのままではプリントしたりモニターで鑑賞したりはできず、現像処理も少々コツが必要なので最初のうちはJPEGで撮る方が良いでしょう。現在のデジタルカメラの画像エンジンは優秀で、充分な品質を確保できるでしょう。

液晶だけで判断しない

デジカメでは撮った写真をその場で確認する事ができます。これはデジカメの最大のメリットなのですが、液晶では綺麗に見えても実際にパソコンでみたり、プリントしたりするとそうでない場合もあります。特に明るさは夜景撮影の生命線です。液晶では暗め、もしくは明るめでもプリントしてみるとちょうどいい場合もあるかもしれません。そういった液晶&機種ごとの「クセ」も使いこんで把握していきましょう。

2010年5月 掲載