基礎編
デジタルカメラのしくみ
デジタルカメラはシャッターボタンを押す事によりシャッターが開き、光がレンズからカメラ内部に取り込まれ、その光(像)はイメージセンサー(撮像素子ともいう)によって電気信号に変換されます。 変換された信号は画像エンジンによって画像データ化&圧縮後、メモリーカードに記録されます。
イメージセンサー(撮像素子)?
イメージセンサーとは、フィルムカメラのフィルムに相当する部分であり、レンズから取り込まれた光をデジタルデータに変換する働きがあります。主にCCD、CMOSの2種類があります。 イメージセンサーには光を受けるマス目(画素)が敷き詰められており、その画素ひとつひとつがレンズから入ってきた光を受けています。イメージセンサーにはさまざまなサイズ、画素数のものがありますが、大きいほどたくさんの光を受けることができるため高画質になります。
画像エンジン?
画像エンジンとはイメージセンサーから流れてきたデータを画像ファイル化しメモリーカードに記録するものです。 各社ごとの写真の仕上がりに「XXXらしい色合い」等の個性が現れるのはこの画像エンジンによってなのです。 画像エンジンの意味はそれだけではなく、画像を処理や記録する速度に直接影響するデジタルカメラの脳とも言える大切なものです。
シャッタースピード?絞り?ISO感度?
上記の処理の中で、シャッターが開いている時間(光が取り込まれている時間)を「シャッタースピード(シャッター速度)」といいます。 一方「絞り」というのは絞り羽根と呼ばれるレンズ内に入っている羽根でレンズをふさぎ、光の通る道幅を狭める機能です。これはF値で表され、F値が大きいほど絞り込んでいるというわけです。 ちなみにF値が最小の状態を最大開放、最大の状態を最大絞りといいます。
ISO感度とはイメージセンサーの光に対する感度です。数値が高いほど少ない光でも撮影できますが、ノイズ(画像がザラザラした感じになる)発生の原因にもなります。よって、出来るだけ低感度で撮るのが理想なのですが、手ブレを起こしそうな場合は画質の低下を覚悟で高感度を使いましょう。
明るさ | シャッター速度 | 絞り(F値) | ISO感度 |
---|---|---|---|
明るい | 長い | 小さい | 大きい |
暗い | 短い | 大きい | 小さい |
絞り、シャッター速度の意味
前項でシャッター速度、絞り、ISO感度の関係を説明をしましたが、そもそも絞る意味はなんなのでしょうか。ISO感度は純粋に写真の明るさを調節する機能なのですが、絞りとシャッター速度は少し違います。詳しくは後述しますが、絞り(と一部被写体においてはシャッター速度)に関しては写真の明るさを変えるためだけの設定ではないというのだけ覚えておきましょう。
総画素数と有効画素数?
デジタルカメラのカタログなどでは総画素数と有効画素数という二つの数字が表記されている事があります。 総画素数とはイメージセンサーにある全画素数を指し、有効画総数とはその中で実際に使われる画総数を指します。 デジタルカメラは撮影時に全ての画素を使っている訳ではなく、用紙で言う所の余白があります。その余白を差し引いた画素数が有効画素数になります。有効画素数を見て判断するようにしましょう。
大型イメージセンサー + 多画素 = 高画質?
基本的にはそうなります。ただ、実際には画素という言葉に比べてイメージセンサーというのはあまり知られていないのが現状ではないでしょうか。 お店に行っても商品が画素数ごとに展示されている場所も少なくありませんしね。しかしながら画素数だけでカメラを選んでしまうとちょっと困った事になります。詳しくは次項に。
多画素化の罠?
例えばここに2台のカメラがあります。片方は2000万画素(カメラA)、もう片方は4000万画素(カメラB)、イメージセンサーのサイズは同じとします。その2台のカメラで同条件で写真を撮ります。 この場合イメージセンサーのサイズが一緒なので、取り込まれた光をカメラAは2000万、カメラBは4000万の画素で受けている訳です。 すると当然カメラBの方が一画素あたりの光を受ける量が減ります。つまり感度の低下が起きているのです。それをカバーするためにカメラBはイメージセンサーの感度を上げるのですが、それによってノイズも拾ってしまう事になります。ただでさえノイズの出やすい夜景撮影 ではノイズの出やすい状況は極力避けたいところです。 もちろん多画素化に伴ってイメージセンサーサイズも大きければ問題はないのですが、イメージセンサーサイズを大きくする事はカメラの値段に直結しているので難しいところです。