すべての夜景鑑賞者さまへ
夜景大国
日本は世界屈指の夜景大国といえるかもしれません。山地が内陸部に広がり、海沿いの街を眼下に見下ろすロケーションが多く、漆黒の海と街の灯りが絶妙なコントラストを魅せてくれます。また、道路網が整備されているために夜景スポットへのアクセスも良好で治安も安定しています。住んでいる私たちには当たり前のように存在する夜景スポットですが、ここまで夜景観賞条件の満たされた国はあまりなく、貴重な観光資源の一つといえるでしょう。
夜景スポットの現状
近年、テレビや雑誌、インターネットなどのあらゆるメディアで夜景スポットが紹介され、夜景観賞を楽しむ方も増えてきたように思われます。私としては嬉しい限りなのですが、その反面マナーの悪化を指摘する声もたびたび聞かれます。実際、マナーの悪化が原因で閉鎖されたり、夜間の立ち入りが禁止されてしまった場所も少なからずあります。私自身も夜景スポットを訪問した際ゴミが多く、ゴミを拾ってから撮影に臨むことになり、残念な気持ちになったこともありました。夜景スポットのなかには観光用に整備された場所だけでなく、近隣住人の生活に密着した公園などもたくさんあります。そういった場所では特に節度を持った行動しましょう。
大声をださない
夜景を眺めながら友人や恋人と語らう。誰もが憧れるシチュエーションかもしれません。しかしながら夜景スポットは高台に位置するため声が通りやすく、夜間は周辺が静まりかえっています。大声での会話や騒音は近隣住人への迷惑になりますので静かに会話をしましょう。深夜の時間帯は特に声が通りやすくなるため、住宅地近辺の夜景スポットには深夜の訪問は控えましょう。
夜景スポットを汚さない
騒音と並んで迷惑行為としてあげられるのがゴミのポイ捨て、落書きといった夜景スポットを汚す行為です。公園などは定期的に清掃されていることがありますが、だからといって汚しても良い訳ではありません。「ゴミはゴミ箱に捨てる、ゴミ箱がない場所では必ず持ち帰る。」を徹底しましょう。
路上駐車
夜景スポットの中には観光地として整備されておらず、駐車場は完備されていないところも数多くあります。特に郊外にある公園などは住宅地のただ中にある事が多いので、駐車はもちろん停車するのも難しい場合もあり得ます。こういった場所を訪問の際は公共交通機関を利用しましょう。また、車内から観賞できる夜景スポットでも夜間のアイドリングは控え、エンジンを切って観賞しましょう。
撮影時のマナー
私も写真を撮る者の一人としては非常に残念なのですが、SNSなどを中心に撮影者のマナーの悪さも取り沙汰されることが多々あります。マナーの悪化により三脚の使用や、撮影そのものが禁止になってしまった場所もあります。三脚を場所取りに使わない、観賞場所を長時間占拠しない、といった基本的なルール守りましょう。
さいごに
夜景スポットというのは単なる観賞場所やたまり場ではなく、近隣住人の生活場所そのもの。誰であっても自宅すぐ近くで大声で騒がれたりゴミを捨てられたら不快に思って当然です。夜景スポットを訪れる際にはその点にご留意いただければと思います。「夜景スポットを守る」といえば大げさな表現になりますが、マナーを守って観賞していただく事によって立ち入りが禁止になったり閉鎖されたりといった事態を防止し、その結果より多くの方が夜景観賞を楽しめるようになります。ひとつひとつの小さな積み重ねが夜景スポットの保持につながります。